本書の12章ではC言語で書いたプログラムをコンパイルするために、コマンドプロンプトやPowerShellのプロンプトからC/C++コンパイラを実行します。
Windows MSVCのC/C++コンパイラ(cl.exe
)を実行するために、MSVC環境へPathを通す方法を説明します。
本書執筆時点で最新版だったVisual Studio 2017を使って説明します。
スタートメニューでキーワード「2017」で検索し、表示された「VC 2017 用 x64 Native Tools コマンドプロンプト」をクリックします。
コマンドプロンプトが起動し、Pathなどの環境変数が自動的に設定されます。 試しにコンパイラを実行してみましょう。 以下のようにバージョン情報と使い方(usage)が表示されるはずです。
C:\Program Files (x86)\Microsoft Visual Studio\2017\BuildTools> cl
Microsoft (R) C/C++ Optimizing Compiler Version 19.16.27027.1 for x64
Copyright (C) Microsoft Corporation. All rights reserved.
usage: cl [ option... ] filename... [ /link linkoption... ]
PowerShellではPscxモジュールを使うのが簡単です。
まず以下のコマンドを実行し、PowerShellでスクリプトを実行できるように設定します。
PS> Set-ExecutionPolicy RemoteSigned -Scope CurrentUser
続いてPscxと関連するモジュールをインストールします。
PS> Install-Module -Name VSSetup -Scope CurrentUser
PS> Install-Module -Name Pscx -Scope CurrentUser -AllowClobber
C++コンパイラを使う際は以下のコマンドを実行します。
これによりPathなどの環境変数が設定されます。
2017
のところは、お使いのVisual Studioバージョンに合わせて書き換えてください。
PS> Import-VisualStudioVars 2017 amd64
コンパイラを実行してバージョン情報などが表示されることを確認します。
C:\Users\user-name> cl
Microsoft (R) C/C++ Optimizing Compiler Version 19.16.27027.1 for x64
Copyright (C) Microsoft Corporation. All rights reserved.
usage: cl [ option... ] filename... [ /link linkoption... ]